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シュタイナーとヌーソロジーのコラボ本『シュタイナー思想とヌーソロジー』が 発売されて1ヶ月が経ちました。

私は先週やっと第1部の半田さんのパート、「ヌーソロジーから見たシュタイナー思想」 を読み終わりました。

新しいヌーソロジーの見解が書かれていたり、全体像をまとめて読めたことで、改めて自分の理論についても考えるきっかけとなり、新たな気づきを得られました。

ただ言い回しが難しいし、情報量が膨大なので、本当にじっくりと読まないと咀嚼できない感じはあります。特にヌーソロジー初心者の方にはやっぱり厳しいかなと思います。

しかも、最後の方は量子論の専門的なお話。文系女子にはキツいです。

半田さんは、この最後の部分がメインディッシュだと言っていますが、文系女子にはメインディッシュがアレルギーで食べられません(;;)となってしまいます。

でもでも、このシェフの腕は、メインディッシュを食べられなくても「なんか凄そう」ということはわかります。ぜひ、味わってみたい……。

そういう方やヌーソロジー初心者の方のために、物理学の話は無理なので(;;)それ以外のところを、心理学的、星乃的な視点で掘り下げてみたいと思います。

今回得られた新たな気づき、Ψ12以降の自我の発達の具体的イメージについても書いていきます。


目次:この章の構成について
   ヌーソロジーのモデルの相互関係
   Ψ12〜11の4段階
   Ψ12後半は「赤色メガネ」
   Ψ11前半・後半の心理学的イメージ
   シュタイナーの歴史意識とΨ8〜14
   顕在化のシステム
   自分じゃないものを他者に返す
   顕在化への近道と「3つのメガネ」



この章の構成について


まず簡単に、この「ヌーソロジーから見たシュタイナー思想」の構成について整理してみたいと思います。

この章では、次のような順番でヌーソロジーのそれぞれのモデルとシュタイナーとの対応について説明されています。

(1)ケイブユニバース
(2)負荷・対化・等化・中和
(3)観察子(Ψ・Ω・Φ)と潜在化・顕在化
(4)ケイブコンパスと潜在化のΨ1〜8とΨ9〜10(乳幼児期・児童期の自我発達)
(5)潜在化のΨ11〜12
(6)潜在化のΨ13〜14
(7)シュタイナーの歴史意識とケイブコンパス
(8)Ωの世界(調整期・覚醒期)
(9)顕在化のΨ1〜6
(10)量子論とΨ1〜12
(11)太陽のpp連鎖反応とヌーソロジー

このような流れで説明が進んでいくのですが、特にヌーソロジー初心者の方には難しく感じたと思います。

この章は全体的にそうなんですが、言い回しが難しいし、言い表そうとしている内容がその文章よりも何倍も多いという感じがします。

ヌーソロジーの本をたくさん読まれてて、レクチャーにも何度も来られてるという方ならなんとなくわかると思いますが、初心者の方にはちょっと説明が足りない感じです。

半田さんは哲学や物理の専門家向けに書かれたのかもしれませんが、初心者の方には具体的なイメージが浮かびにくいですよね。

特に、それぞれのモデルがどう関係しているのかがわかりにくいので、まずちょっとその辺について簡単に補足してみます。


ヌーソロジーのモデルの相互関係


まず、ケイブユニバースというモデルは「世界がどのようにしてできているのか」を表したモデルです。

物質を創造する力NOOS(ヌース)と、創造されたものを受け取る力と方向であるNOS(ノス)が互いに逆方向からぶつかってできたところにあるのが、この私たちのいる時空と私たち自身であるということを表しています。
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この円の形が宇宙のどこかにあるというような3次元的なモノではなく、あくまでも抽象的な概念としてのエネルギーの相互作用として捉えます。

このNOOSとNOSの相互作用から時空と意識が出来るわけですが、その相互作用の進み方には段階があります。

それが、Ψ(プサイ)・Ω(オメガ)・Φ(ファイ)という3段階の観察子と呼ばれるものです。観察子とは、その段階のそれぞれの単位のようなものです。またΨ・Ω・Φはそれぞれ14個の観察子に分かれています。

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この14個は、1と2、3と4、5と6、7と8、9と10、11と12、13と14という風に2つで対になって働いています。なので、段階としては7段階です。いずれも、奇数側がNOOS、偶数側がNOSの作用として働きます。

そして、この2つで対になった観察子は、「負荷・対化(反映)・等化・中和」という方法で動いていきます。
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つまり、まず1が出現し(負荷)、その対化(反映)として2が生まれ、その2つを等化すると3が生まれ、またその反映で中和(4)が生まれるというシステムです。

このようなシステムが、Ψ1〜14、Ω1〜14、Φ1〜14のすべての段階で働いている。

この観察子の動きを分かりやすく図にしたのが、ケイブコンパスです。
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Ψ12〜11の4段階


次に潜在化のΨ1〜8とΨ9〜10について説明が行われます。

Ψは主に私たち人間のレベルを表す次元ですが、Ψには更に潜在化と顕在化という2つの次元があります(詳しくは「顕在化と潜在化」をお読みください)。

潜在化のΨ9〜10は、乳幼児期・児童期の自我の発達を表しています(詳しくは「ヌーソロジーと人間の性格を形成する4つの要素」をお読みください)。

私のブログを読んでいただいている方には、この辺は比較的わかりやすかったのではないかと思います。

一つだけ、私はΨ1〜2を外界との一体化の時期、Ψ3〜4を口唇期としているのに対して、半田さんはΨ1〜2を口唇期、Ψ3〜4を鏡像段階としているので、そこだけ違うのですが。

さて、本題は次からです。

私は、潜在化のΨ12でエニアグラムの影響が出始めると書いてきました。これは、細かく言うと半田さんの言う「Ψ12前半」の部分です。

Ψ12〜11(潜在化なので、偶数系である12が先に来ます)は、それぞれが前半、後半と分かれるので、Ψ12前半、Ψ12後半、Ψ11前半、Ψ11後半という4つの段階になります。

整理してみると、

(1)Ψ12前半:14〜21歳:「乳幼児期に育まれた性格形成に自覚的になる」
(2)Ψ12後半:21〜28歳:「「他者から見た他者」としての自己イメージを確立」
(3)Ψ11前半:28〜35歳:「より観念的で抽象的な思考能力の発達」
(4)Ψ11後半:35〜42歳:「理性の働きの中に他者との共感性を母体に置くような思考が生まれる」

半田さんは、「Ψ12前半では乳幼児期に育まれた性格形成に自覚的になる」と書いていますが、これはこのブログで言ってきているように、そのままエニアグラムタイプの発現と重なります。

では、次のΨ12後半「他者から見た他者としての自己イメージの確立」とはどういうことでしょうか。

これまで、このブログではΨ12前半までしか言及してきませんでしたが、今日は私なりにΨ12後半以降のより具体的なイメージを提案してみたいと思います。


Ψ12後半は「赤色メガネ」


半田さんはΨ12後半について次のように言っています。

ここでは性質の流れが他者側のΨ*10へと流れ込んでいっているのが分かります。Ψ*10は他者の感覚魂の基礎にあたるところですから、この領域は、他者の世界の感じ方をも自己が感じ取ろうと、触手を伸ばしている場所と言えます。(P.360)

性質とはΨ12のことです。

これが「Ψ*10へと流れ込む」というのはどういうことでしょうか。

本では詳しくは書いていませんが、Ψ12〜11前半とΨ12〜11後半というのは、実は他者側のΨ*8〜7とΨ*10〜9(他者側のΨをΨ*と表記します)をなぞる形で動いています。

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つまり、

Ψ12前半⇄Ψ*8(上図A)
Ψ11前半⇄Ψ*7(上図C)
Ψ12後半⇄Ψ*10(上図B)
Ψ11後半⇄Ψ*9(上図D)


ということです。これは、Ψ12前半から自己の意識は他者の意識に交差していくということを意味しています。

これが、13〜14歳からの思春期に他者の目を気にしだすということの原因となっているとヌーソロジーでは考えます。

Ψ*10とは、他者の乳幼児期の記憶(エニアグラムタイプ)、感覚、感情、イメージの世界、想像界でもあります。

この他者の感情、イメージの世界に合わせて、自己イメージを作るというのが、Ψ12後半の意味のようです。

主体は自分自身の感覚や思考を他者の位置を通して客観的に感じ取ることができるようになり、「他者から見た他者」として自己イメージを確立化させ、社会の中の一個人として個体化していくことになります。(P.360)


また、このΨ12後半(B)がある、上図中央の破線より左半分は、ヌーソロジーで言えば「内面」の世界です。つまり、他者からどう見られているかという世界、幅の世界、科学的世界観、3次元空間です。そこには自分の感情や主観、心は存在しません。

他者の感情やイメージに合わせて、自分の心とは関係なく作られた自分イメージ。

社会的個としての自分
ということです。仕事や家族、友人、恋愛関係など、社会生活をしていく中で自己イメージをしっかりと確立していくということなのだと思います。

ここで気をつけるべきなのは、Ψ12後半は「内面」の世界なので、他者の感情を非常に気にするのですが、自分の心には関心が薄くなることです。

なので、Ψ12前半よりもΨ12後半の比重が大きくなってしまうと、本当の自分とは掛け離れた自己イメージを作ってしまうという危険性があります。

Ψ12後半は、このブログで何度も取り上げている、精神科医の斉藤環さんの「キャラ」や「権威主義的パーソナリティ」、そして親子関係で作られてしまった自己イメージなどと関連しているのではないかと考えました。

つまり、「人間は3つのメガネをしている」で書いた「赤色メガネ」は、このΨ12後半で働いている可能性が高いです。

その中でも特に、親子関係で作られる自己イメージは、エニアグラムが乳幼児期のΨ10に蓄積されるのと同様に、Ψ9に蓄積されると考えると、すっきりと説明がつくと気がつきました(詳しくは「ヌーソロジーと人間の性格を形成する4つの要素」「ヌーソロジーと口唇期」「ヌーソロジーと肛門期」「ヌーソロジーと男根期」をご覧ください)。

Ψ9は、ヌーソロジーでは児童期の認知発達として説明されますが、超自我の本拠地でもあります。ここに、親から与えられた、本当の自分とは関係のない自己イメージや「こうあるべき」というイメージが蓄積されるのです。

そして、それがΨ12後半で定着する。そのように考えました。

カウンセリングでは、奥に親子関係の問題がある患者さんとお話しすることが多かったのですが、私の経験として、やはりΨ12後半の21〜28歳を超えると治療が難しくなるという感覚があります。


Ψ11前半・後半の心理学的イメージ


Ψ11前半について、半田さんは次のように書いています。

悟性は知覚的事物そのものに関する思考を離れ、数学的な計算、純粋幾何学的な思考など、より観念的で抽象的な思考能力の発達を見せてきます。また、自分の思考活動自体を対象として観察できる思考力を獲得していきます。 (P.360)

ここは比較的わかりやすいです。自分の思考自体を思考する、抽象的な思考能力。理性の発達です。

エニアグラムタイプが発現し、社会的個を確立させ、今度は、抽象的な思考能力、理性を発達させるということですね。

そして、自我レベル最後のΨ11後半です。Ψ13〜14は死の領域なので。

Ψ11後半部ではヌースの流れが人間の外面側(上図右側)に侵入してきますから、理性の働きの中に他者との共感性を母体に置くような思考が生まれます。というのも、人間の外面側には自他の分離感覚が存在していないからです。その意味で、この領域は自己意識における倫理観の総合が行われるところとも言えます。(P.361)

Ψ11後半では、まずΨ11前半で育まれた理性を使って自分の「外面」、つまり心を探索していきます。

そして、心を探索していくと、Ψ12後半の「赤色メガネ」、Ψ12前半のエニアグラムタイプに行き当たります。それを意識化し、コントロール可能な状態にしていく。

それを達成した個人は、他者についても同じように見ることができます。エニアグラムを知り、赤色メガネの構造を知れば、他者との共感が生まれますよね。それに、遺伝と占星術的影響を加えれば、さらに理解が深まります。

このような個人2人が向き合った時、「自分の中の自分イメージ」「自分の中の相手のイメージ」「相手の中の自分イメージ」「相手の中の相手自身のイメージ」を一致させることができます。

私は、これが本当の共感、自我レベルにおける「自他の一致」と言えるのではないかと思っています。

半田さんの言葉で言えば、ここに「倫理観の総合」が生まれるのではないかなと思います。

そして、ここに至ってやっと、自我を超える「顕在化」に向かうための扉が開かれる

そういう筋書きなのではないかと思っています。


シュタイナーの歴史意識とΨ8〜14


Ψ8〜14の観察子は、個人の自我発達だけではなく、歴史の流れとも対応しています。この章ではシュタイナーの歴史意識と対応させて、次のように書かれています。

Ψ8:古代インド文化期(BC7227〜5067年)
Ψ7:古ペルシャ文化期(BC5067〜2907年)
Ψ10:エジプト・カルディア文化期(BC2907〜747年)
Ψ9:ギリシャ・ラテン文化期(BC747〜AD1413年)
Ψ12前半:ルネッサンス
Ψ12後半:宗教改革・議会制民主主義・市民意識
Ψ11前半:近代科学の登場
Ψ11後半:量子論・精神分析

個人の自我発達と合わせて考えると、とてもわかりやすくなります。特に、歴史に詳しい方はきっと面白いと思われるのではないでしょうか。

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では、現在はどこにあたるのか。

ヌーソロジーで言うと、現在はΨ14の流れに入っています。

個人の意識では、Ψ13は「死の領域」、Ψ14は「肉体の崩壊」とされていますが、Ψ14は時代の流れに対応させると、
*人間から人間の精神が消え去っていく領域
*コンピューターテクノロジーによる全面支配
*反生命世界(P.370)
となります。

Ψ14(一番上のΨ*1と書いてある黒い矢印)は上図の左側にありますので「内面」の世界です。つまり、先ほど書いたように他者の視線の世界、自分の心が見えない世界です。

量子コンピューターの登場で、人間の「外面」つまり自分の主観、心、奥行きが全て吸い取られ、「精神が消え去って」しまうような時代が来ようとしているのかもしれません。

またΨ14では、同じ左側のΨ9、Ψ11前半、Ψ12後半の意識がクローズアップされやすくなります。

Ψ9の超自我的なもの、Ψ11前半の理性、Ψ12後半の「赤色メガネ」の意識に流されやすいのです。

「なぜインスタが若者にウケているのか」で書いた、自分軸が失われ他者軸で生きるという傾向や、権威主義的パーソナリティ、トランプ大統領の誕生(超自我的、権威主義的な政治)、ポストトゥルース(真実よりも自己イメージ維持を重要視)、科学偏重主義などもΨ14的な傾向なのかもしれません。

その流れに飲まれるか飲まれないかは、Ψ11後半までの自我の発達にかかっているのだと思います。

そして、次に来るΨ13の時代がいよいよ「顕在化」の時代となります。


顕在化のシステム


では、皆さんがきっと一番関心のある「顕在化」について、この本ではどのように語られているのでしょうか。

この「顕在化」については、Ωの世界からの視点で書かれています。

ヌーソロジーでは、人間は意識進化をして「ヒト」という意識に移行すると言われています。その間の移行段階が「変換人」と呼ばれる状態です。

そのヒトの次元をヌーソロジーでは「Ω」という記号で表しています。

人間という存在は、ヒトが更に意識進化をしていくときの反動(反映)として生まれてくるものです。

この人間を生み出す、ヒトの意識進化の方向性がΩ9です。

Ω9が持ったヌースの先手性がΩ8にそのまま伝搬し、そこにノス先手のΩ8〜7という、ヒトの元止揚(Ω7〜8)とは真逆な力の流動性を作り出してきてしまうんですね。この領域に生じてくるのが、さきほどから言ってきた「反動的なるもの」として生じてくる人間の意識ということになります。(P.378)

これは、Ψ9で説明するとわかりやすいかもしれません。ΩもΨも基本、同じ構造をしているので。

Ψ9の児童期の自我発達は、Ψ8〜7(正確にはΨ2〜1、Ψ4〜3、Ψ6〜5、Ψ8〜7)の領域をなぞるようにして動いていきました。

これと同じことがΩ9でも生じているということです。

ヒトの次元のΩ9の動きは、Ω2〜1、Ω4〜3、Ω6〜5、Ω8〜7というノス先手の流れを生み出し、これが人間の潜在化のΨ1〜14として表されるのです。

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そして、人間の顕在化をケイブコンパスで表すと次のようになります。
ヒトの意識が大系観察子Ω11の領域へと歩みだすことによって、今までヒトの思形=Ω9の力によって偶数形の次元観察子Ψを先行させる形で働いていた人間の意識の内面領域は、オセロゲームのように奇数系のΨ*側へと裏返されていき、そこにヌース先手の意識が出現してくることになります。(P.388)

これも、先ほど書いた自我の発達のΨ12〜11で説明してみましょう。

先ほど、Ψ12前半(これは潜在化なので、Ψ12がΨ11よりも先に来ます)で、初めて他者側の意識と交差していくと書きました。Ψ12前半はΨ*8、12後半はΨ*10、Ψ11前半はΨ*7、Ψ11後半はΨ*9をなぞるように進んでいきます。

潜在化では偶数系のΨ12が先手ですが、Ωの世界では当然奇数系が先手です。

なので、まずΩ11前半がΩ*7(正確にはΩ*1〜2、3〜4、5〜6、7〜8)の上をなぞっていくということになります。

このなぞられた方のΩ*7というのが、人間の顕在化の力ということです。

このΩ*7によって、人間の次元の潜在化のΨ1〜14(偶数先手)が、顕在化のΨ*1〜14(奇数先手)に変わっていくのです。


自分じゃないものを他者に返す


でもそれって一体どういうことなの?訳がわからないって方も多いですよね。

まさに、霊的覚醒という事件は、経験的自我を作り出していたヒトの思形の流れが他者側の精神そのものの流れへと接続するところに生起する仕組みになっているんですね。(P.391)

こう半田さんは言っていますが、やっぱりちょっと難しいですね。

経験的自我を作り出していたヒトの思形とは、Ω9のことです。

他者側の精神とはΩ*7のことです。

つまり、「このΩ9がΩ*7に変わる」ということが、霊的覚醒=顕在化ということだという意味です。

Ω9とは、人間の自我を作る元になる力です。ヌーソロジーでは、自我を作っているのは他者の眼差しであると考えています。

そして、Ω*7とは他者の外面、奥行きです。

ということは、「自分の自我を作っていた他者の眼差しを、他者の奥行きに変える」ということ。。になります。

でも、それでも、それってどういうこと?ってなりますよね。

(霊的覚醒は)自分自身の意識において、付帯質(自我)を先行させる原因となっていた他者サイドのヌース(Ω9)を、他者自身の元(Ω*7)へ与え返すことによって初めて起こり得るもの、と言った方がいいのかもしれません。(P.390)

これは、Ω9をΩ*7へ与え返す、自分の自我を作っている他者の眼差しを、他者の奥行きに与え返すという意味になります。みんなほぼ同じことを言っているのですが、やっぱり難しい。。

これを普通の私たちの感覚に直すと……

身体として3次元空間を動き回っていると思っている私の自我というものは、実は他者に作られたものであって、本当の自分ではないということに気づくこと。

そして、他者に「あなたの眼差しが私の自我を作っているんだよ」と言って、他者に他者自身の奥行きの存在とその力に気付いてもらうこと。

同時に、他者と同様に、自分も他者の自我を作っている。その眼差し、奥行きの存在を自覚すること。

お互いに、「実は他者だったもの」「自分じゃないもの」を元の他者に与え返す。

そして、「外面」「奥行き」を取り戻す。

それがヌーソロジーの言う「顕在化」ということなのではないでしょうか。

もし、生まれた時から世界に自分一人だったら……。きっと、自我なんてできないですよね。

そして、きっと、目の前に見えるもの、すべてが自分という意識になるのではないでしょうか。

そういう意識を取り戻す。

それが顕在化なのかな、なんて思っています。


顕在化への近道と「3つのメガネ」


他者の影響を自己から取り除いていく。そして、奥行きを取り戻す。

それが顕在化の本質かもしれません。

そのためには、ヌーソロジーの自己他者構造を理解することが必要です。

でも、自己他者構造の前に、自我には他者の影響で出来上がったものがたくさん詰まっています。

エニアグラムタイプも、親子関係でできた自己イメージも、「キャラ」も、「権威主義的パーソナリティ」も、みんな他者の影響でできている自己イメージです。

だから、どんなに数学、物理学、哲学的な知識があって、ヌーソロジーの自己他者構造がわかっていたとしても、それだけで他者の影響を自己から完全に取り除くことはできないんです。

エニアグラムタイプや、親子関係でできた自己イメージ、「キャラ」、「権威主義的パーソナリティ」等に自分が動かされてしまっているとするならば、それはもうその時点ですでに他者の眼差しを取り込んでいるということになります。

そういう意味で、やはり「3つのメガネ」を順に外していくことが「顕在化」への近道なのではないかと私は思っています。