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今日は、エニアグラムの分析例第2弾です。

前回の香里さんもタイプ7w8でしたが、今回のケースの由美さんも7w8です。

香里さんの記事でも取り上げましたが、タイプ7はタイプ5的な分析、研究、探求が好きです。

タイプ5だったら、知らない人とネット上で自分のことを話し合うのはやっぱり勇気がいります。

でも、7w8にはそういう恐怖心はあまりなく、「自分を知りたい」という好奇心で飛び込めるのではないかと思います。

そういう点で、タイプ7の方がこの事例には多くなる傾向がありそうです。

さて、今日の由美さんですが、同じ7w8でも香里さんとは全く雰囲気の違うバリバリのキャリアウーマンの方です。

会社でも管理職として、部下を指導する立場の方。

その役割上、ご自分のことを最初はタイプ8だと考えていたそうです。

でも、やりとりをしていくうちに、本当はタイプ7w8であることがわかってきます。

どうしてタイプ8だと思っていたのか……。その理由も明らかになっていきます。

それはやはり、親子関係=「赤色メガネ」の影響(詳しくは「人間は3つのメガネをしている」をご覧ください)でした。


目次:導入
   なぜタイプ7は「ノーマーク」だったのか
   長女の役割意識=「赤色メガネ」への気づき
   ご本人の感想
   まとめ 


導入


最初の由美さんのメッセージは以下の通りです。

こんにちは。由美と言います。 エニアグラムのタイプを確認したいと思ってメッセージしています。

(1) <イヤなこと> 細かいこと。規則に従って厳密に適応すること。社内の調整や根回し。人を褒めること。甘え上手な人、ガードが低い人の行動を見ること。

   <楽しいこと> 新しいことを学ぶこと。知らない人と出会うこと。議論すること。探求すること。議論やダイアログを描くこと。構造化すること。ファシリテートすること。

(2) <長所> タフである。最後までやり抜く。明るい。楽天的。論理的。全体像やコンセプトを描くのが得意。

   <短所> 面倒くさがり。詰めが甘い。そそっかしい。人に対する関心が薄い(と言われた)。ルールに少しルーズ。片付けが苦手

(3)「自分の雰囲気・他者からどう見られているか」 頼りがいがある。よく同年代からも「姐さん」と呼ばれる。強い、心配ない、と思われている。こわいと思っている人もいる。 冷たいと思っているかもしれない。すごい、と言われることもある。

(4)「自分のタイプの予想がつく方はそのタイプ」 タイプ8?5? 解説を読むと、8っぽいと感じます。支配している自覚はありませんが、どう考えてもタイプ2と思われる部下と折り合いが悪いです。(褒めてくれない、評価されていない、と言われています)

5人兄弟の長女です。

星乃さん、よろしくお願いいたします。星乃さんのブログ、とても勉強になりました。 いろいろなフィルターのかかったメガネをかけてることをやっと自覚したところです。。


さあ、みなさんどうお感じになりましたか?私は、この時点でかなりの確率で7w8かなと感じました。7w8のキーワードが多く出てくるからです。

でも、ご本人はタイプ8かなとおっしゃいます。

これに対しての私の返信です。

星乃「エニアグラム事例の応募ありがとうございました。

由美さんのお答えを読ませていただいての、最初の直感はタイプ7w8か8w7でした。 特に7w8の可能性が高いような気がします。

以下にその理由を書いていきます。

<嫌なこと>
*「細かいこと。規則に従って厳密に適応すること。」

これはタイプ7的です。タイプ7はブログにも書きましたが、超自我的(〜すべき)なことが嫌いです。そこにとことん逆らいます。

*「社内の調整や根回し」が嫌:これもタイプ7的、タイプ8とは相反します。タイプ8は周囲の人に慕われ、自分がリーダーであることに喜びを覚えるので、反対に根回しとかは得意なのではないかと思います。タイプ7はそういうことには興味がなく、自分が楽しければいいので。

*人を褒めること:これもタイプ8よりもタイプ7的です。

*甘え上手な人、ガードが低い人の行動を見ること:これは7とも8とも取れます。どちらも自分が強いタイプなので、そういう人を見るとイライラするかもしれません。

<楽しいこと>
*新しいことを学ぶこと。知らない人と出会うこと。議論すること。探求すること。議論やダイアログを描くこと。構造化すること。ファシリテートすること

これも全体的に見ると、タイプ7の可能性が高いです。タイプ7は成長の方向がタイプ5なので探求や構造化が好きです。でも、タイプ5ではないのは「知らない人と出会うこと」「議論すること」や由美さんの雰囲気から明白です。

<長所>タフである。最後までやり抜く。明るい。楽天的。論理的。全体像やコンセプトを描くのが得意

これも、上記と同じ理由でタイプ7的です。

<短所>面倒くさがり。詰めが甘い。そそっかしい。人に対する関心が薄い(と言われた)。ルールに少しルーズ。片付けが苦手

これは特にタイプ7的と言えます。タイプ7は、頭の回転が早く、自信もあるので、あまり考えずにパッと行動します。すると、「そそっかしい」、不注意などの傾向が生じます。

「人に対する関心が薄い」のは、タイプ8的ではない感じがします。タイプ8は人に慕われるのが大切なタイプですから。

*「他者からどう見られるか」:頼りがいがある、姉御肌等。

これはタイプ7とも8とも取れる感じですね。

ということで、今の所私の中では、タイプ7w8が有力です。

ただ、まだタイプ8w7とも取れる可能性がありますので、今後少し私の方から質問をさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。 」

これに対して由美さんは
はい。質問、時間が取れるときにお答えします。
7というのはノーマークでした。笑
よろしくお願いします。
と返信されています。

まさかタイプ7とは思われていなかったようです。


なぜタイプ7は「ノーマーク」だったのか


そこで、私は次のような質問をしました。

(1) タイプ8だと思われたのはどうしてでしょうか?
(2) 由美さんが「タイプ7とは思わなかった」のはどうしてでしょうか? 
(3) ご自分の予想で、タイプ5かもしれないとありましたが、その理由は何でしょうか?  

これに対しての由美さんのお答えです。

(1)タイプ8だと思った理由
まず、Webサイトの簡易診断で8と出たから、、。そしてタイプ8の内容を見たときに自分に該当するものがあったからです。

該当すると思ったもの
・チャレンジ精神旺盛 ・逆境に強くへこたれない ・裏表がなく率直 ・人に頼られると放っておけない親分肌、姉御肌 ・全体を見通して場を仕切る

でも、ちょっと違うなと思ったところ
・人に対して敵対的で、支配的。 ・何でも自分の思い通りにしようとし、強引
どちらかというと、敵対するよりも勝手にわが道を行くほう。支配なんてややこしいことはしたくないです。支配や力にはどっちかというと関心がないです。


(2)タイプ7とは思わなかった理由
ずばり、今現在、楽しさを求めて動けてないから、かもしれません。 なので、タイプ7かどうか?と言われるとそうかも、と思いました。
今の自分については、エネルギーをセーブしている感覚があります。まだ自分のエネルギーの6~7割しか使っていない感覚。 その自己規制がどこからくるのか、気になっています。


(3)タイプ5かもしれないと思った理由
・全体の状況を把握しようとする。 ・客観的、冷静に分析(しようと)する。


以下が、この由美さんのお答えについての私の分析です。

星乃「お返事ありがとうございました。では、いただいた内容について考えてみます。

(1)タイプ8だと思った理由 これは、タイプ7だとしても十分考えられるものですので、タイプ8だという確証にはなりません。

<違うと思ったところ> 前回の返信にも書きましたが、タイプ8の興味はやはり周囲の人を従える事にあります。 タイプ7はそういう事には興味なく、自分が楽しく、周囲も楽しい雰囲気であればいいのです。

(2)タイプ7とは思わなかった理由 :これについては、後ほど書きます。

(3)タイプ5かもしれないと思った理由
これも前回の返信に書きました通り、タイプ7はタイプ5に向かう特性を持っており、全体の把握、分析が好きなところがあります。でも、由美さんのその他の特性、強い雰囲気から言って、タイプ5である可能性は限りなく低いです。

芸能人でいえば、タイプ5の女性は少ないんですが、昔「待つわ」がヒットした「あみん」の岡本孝子さんとかです。儚げで優しい雰囲気になります。男性は、ディーン・フジオカさんや、神木隆之介さんとかです。

強い雰囲気で、タイプ5的な特性を持つというのは、タイプ7しかありません。

芸能人で7w8女性をあげると、まず松任谷由実さんとか、清水ミチコさん、久本雅美さん、奈美悦子さん、真矢みきさん、高嶋ちさ子さんなどです。

8w7は、和田アキ子さん、杉本彩さん、江角マキコさんなどです。 こう考えると、私としては由美さんのエニアグラムタイプは7w8しかないと思います。

しかし、由美さんはタイプ7だと思わなかったと言われます。その理由として、「楽しさを求めて動けていない」ということをあげていらっしゃいました。

でも、「言われてみればそうかも」という感じで、楽しいことが嫌いというわけではないのですよね。

そして、「今自分のエネルギーを6〜7割しか出せていない」感覚があるとのこと。

もし、由美さんがタイプ7w8だとすると、何か「楽しんではいけない」という思い込みや「〜しなければならない」という信念などがあるのかもしれません。

 もし上記のような思い込みや信念があるとすると、それは「赤色メガネ」の影響が考えられます。これは親子関係やその後の経験から出来上がってしまうものです。

でも、由美さんの場合、7w8のポジティブな側面が出ていないわけではなく、頼り甲斐がある、楽天的、タフ、洞察や分析という形ではタイプ7のポジティブな側面が出ていますし、この事例に応募していただいて自分を知りたいというのもタイプ7的な好奇心だと言えます。

由美さんはこれをご覧になって、どうお感じになりましたか?ご感想をお聞かせいただけると嬉しいです。」


長女の役割意識=「赤色メガネ」への気づき


これに対して、由美さんの返信です。

とても示唆があるフィードバックでした。深いなぁ。。

私は前にも書いたように、人生の始まりは、ほとんど4人年子の長女としての生活でした。 1歳の時から、妹が泣くとベビーベットの柵の隙間から、妹をトントンしていたと母が言っていました。

何かを選ぶ時も妹優先で、三女がピンク、次女がイエロー、私がブルーというのが常でした。コアビリーフとインナーチャイルドを探求した時に浮かんだイメージは、祖母の膝の上に座って自分に「お姉ちゃんは我慢しなくちゃならないの」と言っている2歳か3歳の私でした。

実家は母がカトリック信者で、赤ん坊の時から私はカトリックの洗礼を受けています。超自我の影響は大きかったと思います。楽しむことを自分に制限している傾向はここから来ていると思います。


私のエネルギーの源泉は好奇心だと思います。 知らない人の中に入っていくワクワクは、小学生の時から感じていました。 たった一人で、50人くらいの小学生が集まるカトリック教会の子供キャンプに出かけてとても楽しかった記憶があります。

赤いメガネの影響は大きそうですね。


タイプ8の傾向が出るのは、自分の役割意識のせいかな、と思います。 長女であること。職場で部長職をしていること。SEという仕事で厳しいプロジェクトのマネジャーを10年以上続けたこと。こうしたことが影響しているのかなぁと思いました。

私の返信です。

星乃「昨日はお返事ありがとうございました。 お役に立てたなら嬉しいです(^^)。

「1歳の時から長女の役割を負っていた」「お母様がカトリック信者」ということで、由美さんも書かれていたように、「長女は我慢しなくちゃならない」、「カトリックの教義に沿った態度、行動を示さなければならない」という信念=赤色メガネができてしまったのかもしれませんね。

また、由美さんは「私のエネルギーの源泉は好奇心だと思います。」と言われているので、やはりタイプ7かなと思います。

>タイプ8の傾向が出るのは、自分の役割意識のせいかな、と思います。 長女であること。職場で部長職をしていること。SEという仕事で厳しいプロジェクトのマネジャーを10年以上続けたこと。こうしたことが影響しているのかなぁと思いました。

そうですね。こう考えていくと、由美さんの現在の意識の状態は、

「エニアグラムはタイプ7w8。でも、「楽しさを追求できていない」のは、親子関係や仕事の影響で「我慢しなければならない」「みんなの面倒を見なければならない」という信念=赤色メガネができてしまっているため。」

というように考えられます。

そのために、ご自身ではタイプ8だと判断していたということのように思います。

でも、「人に頼られると放っておけない親分肌、姉御肌 、全体を見通して場を仕切る」などは、赤色メガネの影響でできたものだとしても、それはそれで自分の一つの「能力」「スキル」として考えればいいのではないかと思います。

気になるのは、「自分のエネルギーをセーブしている感覚があります。まだ自分のエネルギーの6~7割しか使っていない感覚。」というところです。

これは、やはり「赤色メガネ」の影響が考えられるので、できるだけ影響を薄くしていきたいですね。 私はこのように考えましたが、由美さんはどう思われたでしょうか?」

これに対しての由美さんの返信です。ここで、また新たな気づきが生まれます。

赤色メガネの影響は納得です。 使命感、もしくは義務感から、苦手なことや好きではないことをしなくてはならなくなるっていうことになっていると思います。

エネルギーをセーブしている、と感じるのは、自分の好奇心や成長、楽しさを追求しきれていないという感覚。やらなければならないことに足止めされている。しかも苦手なのに、、、という状況。


ちょっと可笑しなことに気がつきました。

無邪気な人、天真爛漫な人に腹が立つという理由。 私の友人はタイプ7です。しかも糸の切れた凧みたいなタイプ。無邪気ですが、制御ができていない。いろいろと抜け漏れがあり、ちょっと信用できないと感じています。

多分、同じタイプ7なのに、責任だなんだにお構いなく、楽しそうにしているのが妬ましいのかもしれない、、、、そんな気づきがありました。

そぉ〜だったのか〜という驚きと発見がありました。なるほど、奥が深いですね。



星乃「やはり、由美さんの「エネルギーをセーブしている」というのは、赤色メガネから来ているのですね。

「無邪気な人、天真爛漫な人に腹が立つ」ということは、由美さんは最初のお答えにも書かれていました。私も最初は「強い方にはあることかな」くらいしか思いませんでしたが、そんな意味が隠されていたとは!なるほど、ですね。

エニアグラムを探ることで、赤色メガネの存在やその影響で生じる感情が明らかになることは、自分で言うのもなんですが、すごいことだと思っています(^^;)。

由美さんは、これで赤色メガネの存在とその内容について意識化されました。

あとは、それを薄くしていくこと、「エネルギーをセーブしている」感覚をできるだけ少なくしていくことですね。 」


ご本人の感想


星乃さん、本当にありがとうございました。 もやもやと自分の中にあるものが意識化されて、いろいろなことがよくわかりました。

赤色眼鏡の存在の発見は大きな収穫です。 役割を担うなかで身に着けてきたスキルが自分自身だと思うほど、頑張ったんだなあと、自分を見つめることができました。

赤色眼鏡を意識化することで、よくわからないけど、やらされている感じがなくなり、その時々に自分のために無意識に自分が選んできたことなんだと思いました。

自由を愛する自分も、赤色眼鏡の自分も、どちらも一生懸命生きていた私、として受け入れることができそうです。これからは、この両方を大事にケアしながら生きていきたいと思います。

もう一つの発見は、自分だけではなく、他者のタイプについても考える機会があったこと。 最初にお話ししたタイプ2の部下。

仕事の報われない感を繰り返し言われて、うんざりしていたのですが、この人がタイプ2だという目でみると、彼女のメガネで職場や仕事を見ることが少しできるようになりました。

見返りや感謝を求めて仕事する下心なんて、、、と思っていた私ですが、それは彼女にとっては切実なことだったのだと理解できました。 少しずつですが、意識的に、そして納得して彼女とのコミュニケーションを変えていけそうです。

今回は本当にありがとうございました。 まさかメッセンジャーだけでここまでいろんなことがわかってくるとは、思ってもいませんでした。

またブログを読ませていただきながら、学んでいきたいな、と思いました。ありがとうございました。


 

まとめ


前回の香里さんの事例も同じタイプ7w8でしたが、由美さんのこのケースはまた全く違うテーマが出てきました。

同じ7w8でも、遺伝・占星術的要素(ここでは扱いませんが)・その後の経験(親子関係など)で、様々な意識の状態が作られるということがわかっていただけたのではないかと思います。

でも、前回と共通しているのは、エニアグラムを探ることで、赤色メガネ=親子関係の問題とその内容が明らかになってくるということです。

そして、自分の今いる状態やどこをどう修正していけばいいのかがはっきりと見えてきます。

自分の状態がはっきりと見えると、他者の状態も同じように見えてきます。由美さんは、理解できない部下の気持ちも、エニアグラムを通して理解できるようになってきたとおっしゃっています。

また、通常、赤色メガネを薄めるには、意識化とそれを薄めていくための行動の2段階が必要ですが、由美さんは、エニアグラムと赤色メガネを意識化しただけで、赤色メガネの影響をかなりコントロールすることができるようになられたようです。

由美さんは、普段から意識してご自分と向き合う方のようですので、意識化だけでコントロールが可能となったのでしょう。

そう考えると、やはり「意識化」というのはすごい力を持ったものなんだなと、改めて気づかされました。

ぜひ、皆さんもこういう視点で自分と向き合ってみてください。

わからない方は、事例応募してみてくださいね!

同じタイプ7の方でも全然OKです。


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