前回は、フロイトの肛門期(1歳半〜3、4歳)・男根期(3、4歳〜6歳)に、エニアグラムタイプ3・7・8と1・2・6がどのように形成されるのかというお話をしました。
今日は、口唇期と同様に、肛門期と、そこでどのようにタイプ3・7・8が形成されるのかをヌーソロジーで説明してみたいと思います。
目次:ヌーソロジーと肛門期の世界
ヌーソロジーとタイプ8の世界
ヌーソロジーとタイプ7の世界
ヌーソロジーとタイプ3の世界
まとめ
ヌーソロジーとタイプ8の世界
ヌーソロジーとタイプ7の世界
ヌーソロジーとタイプ3の世界
まとめ
ヌーソロジーと肛門期の世界
「ヌーソロジーと人間の性格を形成する4つの要素」でも書きましたように、ヌーソロジーでは口唇期はΨ3〜4、肛門期はΨ5〜6に相当します。
Ψ3〜4は「自分とモノの世界」でした。では、Ψ5〜6とは何でしょうか。
ヌーソロジー常連の皆さんはすぐお分かりだと思いますが、Ψ5〜6は「自己と他者の世界」です。

人間の「一対一」の関係です。
さて、ここで前回お話した肛門期の子供の世界観を思い出してみましょう。
肛門期は、自分=身体となるとお話しました。そして、他者も身体として認識されます。子供はこの世界で、他者に褒められる、注目されることを欲します。これは対象は変わったとしても、その時その時には常に「一対一」の関係です。
まさに、肛門期は「(一対一の)自己と他者の世界」なんですね。ラカンで言えば、自己と他者のイメージからなる「想像界」です。
口唇期と同様、肛門期もぴったりとヌーソロジーに当てはめることができます。
普段半田さんが話している「顕在化」のレベルのΨ5〜6が、潜在化のレベルでは子供の「肛門期」として表れているということです。
ヌーソロジーとタイプ8の世界
では、肛門期に生じるエニアグラムタイプ3・7・8をヌーソロジーで説明するとどうなるでしょうか。
ここで、「ヌーソロジーと口唇期」で使用したペンターブシステムを思い出してください。口唇期の中には「負荷⇨反映⇨等化⇨中和」という4段階があると書きました。

同様に、肛門期にもこの4段階があります。それぞれ、負荷=Ψ5、反映=Ψ*5(他者側のΨ5)、等化=次の段階へ、中和=Ψ6に対応しています。
肛門期の負荷はΨ5の力と方向性です。これは「自分の身体」から「他者の身体」への力と方向性ということになります。
このΨ5をベースにして形成されるのがエニアグラムタイプ8です。
Ψ5を「他者に褒められたい」「優位に立ちたい」という欲求と捉え、それが満足されなかったという経験がΨ10に蓄積され、Ψ12で観察されたものがタイプ8です。「優位に立ちたい」、「中心でありたい」欲求が満たされていないので、それを満たすことが自分の安定を保つことと解釈されるのです。
ヌーソロジーとタイプ7の世界
そして、口唇期と同様、男根期の反映はΨ*5です。これは「他者の身体」から「自分の身体」への力と方向性。具体的に言えば、お母さん、お父さん、周囲の人の意識です。子供が母親など、周囲の人の意識状態を気にしている状態です。
基本、肛門期の子供は「自分が世界の中心でありたい」という意識を持っていますから、周囲を気にする方向性は、「自分が中心として扱われない」恐怖、「注目されない」恐怖として感じられます。
このΨ*5をベースにして形成されるのが、タイプ7です。成長後は、この恐怖から逃れることがタイプ7にとって最も重要なことと認知されます。つまり、自分が常に楽しくワクワクした状態でいることが必要になるのです。
ヌーソロジーとタイプ3の世界
そして、肛門期の中和、Ψ6をベースにして作られるのがタイプ3です。Ψ5とΨ*5が相殺されて区別が難しくなっています。
これは、母親、父親、周囲の人に褒められて、自分が世界の中心、英雄であるとの確信を得られている状態です。このイメージがΨ10に蓄積され、同様にΨ12に観察されます。
タイプ3にはこの「自分=英雄」イメージを維持することが、自分の安定を保つことと認知されるのです。
まとめ
このように、肛門期は「自分の身体」と「他者の身体」のイメージの世界で、これをヌーソロジーでは潜在化のΨ5〜6の概念で説明することができます。
そして、Ψ5でタイプ8、Ψ*5でタイプ7、Ψ6でタイプ3が形成されます。
エニアグラムタイプ3・7・8は、このような「自己と他者の身体の世界での優劣」というフィルターを通して、世界と自分を認知しています。
以前お話しした口唇期とは大分違いますよね。
「自分と自分じゃないもの」という曖昧な世界に生きているタイプ4・5・9に比べると、より社会的な世界に生きている感じになります。

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