前回の記事では、フロイトの口唇期にエニアグラムタイプ4・5・9が、お母さんと赤ちゃんの間で具体的にどのようにして形成されるのかというお話をしました。ここでは、エニアグラムをフロイトとウィルバーなどの心理学的側面から見ました。
今日はこれをヌーソロジーで説明してみようと思います(これを読む前に、「ヌーソロジーと人間の性格を形成する4つの要素」と、前回の記事をご覧ください)。
これをヌーソロジーで説明することによって、エニアグラムの構造もフロイトの口唇期も、より一層わかりやすくなります。また、ヌーソロジーが今までできなかった生活レベルでの事例の説明、自我の克服の実践面にも役立てることができるようになるのではないかと思っています。
そして、今日は口唇期のみですが、肛門期・男根期とつなげていけば、ヌーソロジーのΨの構造の具体的なイメージを作ることができ、それを今度は「顕在化」のレベルにも応用することができます。
「ヌーソロジーと人間の性格を形成する4つの要素」でも述べたように、ヌーソロジーでは口唇期はΨ3〜4です。
Ψ3〜4とは、簡単に言うと「自分とモノの世界」です。
Ψ3は「自分からモノへの力と方向性」、Ψ4は「モノから自分への力と方向性」です。
普段、半田さんは「顕在化」のレベルでのΨ3〜4の話をしています。
でも、ここでいうΨ3〜4は「潜在化」のレベルのものです。そして、潜在化のレベルのΨ3〜4は、人間の意識のレベルでは、0歳から1歳半くらいの赤ちゃんの意識世界=口唇期に表れています。
前回の記事で、口唇期は人を人と認識できず、断片的なモノを認識しているにすぎない、「自分」と「自分じゃないもの」の世界だとお話しました。
これはまさにΨ3〜4の世界と重なります。
つまり、「自分」から「自分じゃないもの」への力と方向性がΨ3、「自分じゃないもの」から「自分」への力と方向性がΨ4ということになります。
口唇期の赤ちゃんは、このΨ3〜4の世界で「世界を飲み込みたい」欲求と「自分が飲み込まれる」恐怖の間で揺れ動きながら生きています。
ヌーソロジーには、物事の進化のシステムには「負荷・反映・等化・中和」の4段階があり、この4つが新しい次の段階の1となるという5進法的な「ホロニック・ペンターブシステム」という考え方があります。
半田さんはこれを通常、負荷=Ψ1、反映=Ψ2、等化=Ψ3、中和=Ψ4というように使いますが、私はこれを口唇期(=Ψ3〜4)の中の発達システムとして見ます。
つまり、口唇期を1つの段階と見て、この中にこの4つの段階があると考えるのです。
まず、負荷でΨ3、つまり、「自分からモノへの力と方向性」が生じます。次にその反映として「モノから自分への力と方向性」が生まれます。じゃあ、それはさっきも言ってたし、当然Ψ4でしょ?と言いたくなります。
それが違うんです。
ここがちょっとややこしくなってくるところなんですが、口唇期を4つの段階として考えるときには、他者側の視点という要素が必要になってきます。他者側の視点を表すとき、ヌーソロジーではΨに*(スター)をつけてΨ*3(プサイスター3と読みます)、Ψ*4と表します。
先ほど、「モノから自分への方向性」はΨ4と書きました。でも、正確に言うと、Ψ4は他者側のΨ3、つまりΨ*3の力があって初めて生じるものです。具体的に言えば、お母さんのΨ3です。Ψ*3とΨ4は重なって存在しているのです。
私は口唇期の反映の力は、Ψ*3と考えます。
Ψ3とΨ*3を区別できず等化できないと、それが相殺されて中和にとどまってしまいます。
この中和をΨ4と捉えます。
そして、Ψ3とΨ*3を等化すると肛門期に上がります。
口唇期の負荷、Ψ3の力と方向性をベースにしてできるのが、エニアグラムタイプ5です。
これは赤ちゃんにとっては、自分が自分じゃないものを飲みこもうとする力と方向性です。
でも飲み込めない。
そこにできた自分と世界イメージがΨ10に蓄積されます。
それがΨ12から観察されたものがエニアグラムのタイプとして出現します。
口唇期の反映、Ψ*3の力と方向性をベースにしてできるのが、タイプ4です。
赤ちゃんにとっては、自分が自分じゃないものに飲み込まれるという力と方向性です。
そして、自分が消えてしまうという恐怖が生じます。
タイプ5と同様に、そこにできた自分と世界イメージがΨ10に蓄積され、それがΨ12によって観察されます。
そして、口唇期の中和、Ψ4をベースにしてできるのが、タイプ9です。
赤ちゃんが世界=お母さんとの一体感を感じている状態です。
Ψ3とΨ*3が相殺されて区別がつかず、そこで安定してしまいます。
この「自分と自分じゃないもの」の一体感というイメージがΨ10に蓄積され、同じようにΨ12によって観察されます。
このように考えると、ヌーソロジーとエニアグラムを繋げることができます。
今日は口唇期のみですが、肛門期、男根期も同じシステムで説明することができるので、これを進めていけば、生活レベルの事例の説明、自我の克服の実践の手助け、顕在化への応用ができるようになります。
エニアグラムも、きちんとした構造から各タイプの特徴を考えることができ、より理解が深まります。
現在、エニアグラムのタイプ判定はかなり難しい状態です。基礎理論はあっても、明確なイメージがないからです。でも、この構造に基づいて人間観察をすることで、より明確な各タイプのイメージを作り上げることができます。
このブログではこれから、今日のような構造面と同様に、具体的な各タイプのイメージ(芸能人の例)のお話をしていこうと思っています。
エニアグラムタイプを判定するためには、この2つの側面が必要だからです。
にほんブログ村
Follow @haruihoshino
今日はこれをヌーソロジーで説明してみようと思います(これを読む前に、「ヌーソロジーと人間の性格を形成する4つの要素」と、前回の記事をご覧ください)。
これをヌーソロジーで説明することによって、エニアグラムの構造もフロイトの口唇期も、より一層わかりやすくなります。また、ヌーソロジーが今までできなかった生活レベルでの事例の説明、自我の克服の実践面にも役立てることができるようになるのではないかと思っています。
そして、今日は口唇期のみですが、肛門期・男根期とつなげていけば、ヌーソロジーのΨの構造の具体的なイメージを作ることができ、それを今度は「顕在化」のレベルにも応用することができます。
目次:ヌーソロジーと口唇期の世界
負荷・反映・等化・中和
ヌーソロジーとタイプ5の世界
ヌーソロジーとタイプ4の世界
ヌーソロジーとタイプ9の世界
まとめ
負荷・反映・等化・中和
ヌーソロジーとタイプ5の世界
ヌーソロジーとタイプ4の世界
ヌーソロジーとタイプ9の世界
まとめ
ヌーソロジーと口唇期の世界
「ヌーソロジーと人間の性格を形成する4つの要素」でも述べたように、ヌーソロジーでは口唇期はΨ3〜4です。
Ψ3〜4とは、簡単に言うと「自分とモノの世界」です。
Ψ3は「自分からモノへの力と方向性」、Ψ4は「モノから自分への力と方向性」です。
普段、半田さんは「顕在化」のレベルでのΨ3〜4の話をしています。
でも、ここでいうΨ3〜4は「潜在化」のレベルのものです。そして、潜在化のレベルのΨ3〜4は、人間の意識のレベルでは、0歳から1歳半くらいの赤ちゃんの意識世界=口唇期に表れています。
前回の記事で、口唇期は人を人と認識できず、断片的なモノを認識しているにすぎない、「自分」と「自分じゃないもの」の世界だとお話しました。
これはまさにΨ3〜4の世界と重なります。
つまり、「自分」から「自分じゃないもの」への力と方向性がΨ3、「自分じゃないもの」から「自分」への力と方向性がΨ4ということになります。
口唇期の赤ちゃんは、このΨ3〜4の世界で「世界を飲み込みたい」欲求と「自分が飲み込まれる」恐怖の間で揺れ動きながら生きています。
負荷・反映・等化・中和
ヌーソロジーには、物事の進化のシステムには「負荷・反映・等化・中和」の4段階があり、この4つが新しい次の段階の1となるという5進法的な「ホロニック・ペンターブシステム」という考え方があります。
(1)負荷:システムを動かすための最初の力と方向「ケイブ・コンパス」の構造はすべてこのシステムで動いています。
(2)反映:負荷の反作用として生まれる力と方向
(3)等化:負荷と反映を統合していく力と方向
(4)中和:負荷と反映を二元化する力と方向 (「人類が神を見る日」より)
半田さんはこれを通常、負荷=Ψ1、反映=Ψ2、等化=Ψ3、中和=Ψ4というように使いますが、私はこれを口唇期(=Ψ3〜4)の中の発達システムとして見ます。
つまり、口唇期を1つの段階と見て、この中にこの4つの段階があると考えるのです。
まず、負荷でΨ3、つまり、「自分からモノへの力と方向性」が生じます。次にその反映として「モノから自分への力と方向性」が生まれます。じゃあ、それはさっきも言ってたし、当然Ψ4でしょ?と言いたくなります。
それが違うんです。
ここがちょっとややこしくなってくるところなんですが、口唇期を4つの段階として考えるときには、他者側の視点という要素が必要になってきます。他者側の視点を表すとき、ヌーソロジーではΨに*(スター)をつけてΨ*3(プサイスター3と読みます)、Ψ*4と表します。
先ほど、「モノから自分への方向性」はΨ4と書きました。でも、正確に言うと、Ψ4は他者側のΨ3、つまりΨ*3の力があって初めて生じるものです。具体的に言えば、お母さんのΨ3です。Ψ*3とΨ4は重なって存在しているのです。
私は口唇期の反映の力は、Ψ*3と考えます。
Ψ3とΨ*3を区別できず等化できないと、それが相殺されて中和にとどまってしまいます。
この中和をΨ4と捉えます。
そして、Ψ3とΨ*3を等化すると肛門期に上がります。
ヌーソロジーとタイプ5の世界
口唇期の負荷、Ψ3の力と方向性をベースにしてできるのが、エニアグラムタイプ5です。
これは赤ちゃんにとっては、自分が自分じゃないものを飲みこもうとする力と方向性です。
でも飲み込めない。
そこにできた自分と世界イメージがΨ10に蓄積されます。
それがΨ12から観察されたものがエニアグラムのタイプとして出現します。
ヌーソロジーとタイプ4の世界
口唇期の反映、Ψ*3の力と方向性をベースにしてできるのが、タイプ4です。
赤ちゃんにとっては、自分が自分じゃないものに飲み込まれるという力と方向性です。
そして、自分が消えてしまうという恐怖が生じます。
タイプ5と同様に、そこにできた自分と世界イメージがΨ10に蓄積され、それがΨ12によって観察されます。
ヌーソロジーとタイプ9の世界
そして、口唇期の中和、Ψ4をベースにしてできるのが、タイプ9です。
赤ちゃんが世界=お母さんとの一体感を感じている状態です。
Ψ3とΨ*3が相殺されて区別がつかず、そこで安定してしまいます。
この「自分と自分じゃないもの」の一体感というイメージがΨ10に蓄積され、同じようにΨ12によって観察されます。
まとめ
このように考えると、ヌーソロジーとエニアグラムを繋げることができます。
今日は口唇期のみですが、肛門期、男根期も同じシステムで説明することができるので、これを進めていけば、生活レベルの事例の説明、自我の克服の実践の手助け、顕在化への応用ができるようになります。
エニアグラムも、きちんとした構造から各タイプの特徴を考えることができ、より理解が深まります。
現在、エニアグラムのタイプ判定はかなり難しい状態です。基礎理論はあっても、明確なイメージがないからです。でも、この構造に基づいて人間観察をすることで、より明確な各タイプのイメージを作り上げることができます。
このブログではこれから、今日のような構造面と同様に、具体的な各タイプのイメージ(芸能人の例)のお話をしていこうと思っています。
エニアグラムタイプを判定するためには、この2つの側面が必要だからです。
にほんブログ村
Follow @haruihoshino