エニアグラムを初めに世に出したのはロシアの神秘思想家グルジェフです。
普通の方はご存知ないと思いますが、スピリチュアル界では大御所です。
でもグルジェフがエニアグラムを使って研究したのは、人間の精神的発達についてでした。性格のタイプとして世間に広めたのは、オスカー・イチャーソという方です。オスカー・イチャーソはグルジェフの著作を読む前に、スーフィズムというイスラム教の神秘主義からエニアグラムを知ったと言われています。一方、エニアグラムの起源は紀元前2500年の古代バビロン、あるいは中東のどこかまで遡るのではないかという説もあり、明確にはわかっていません。
IMG_6806

私がエニアグラムと出会ったのは、大学3年生の時でした。それまでいろんな論文や文献を探し回っていましたが、エニアグラムと出会った時に衝撃を受けました。あまりにも現実を明確に言い当てていたからです。それで卒論もエニアグラムを基盤にした面接調査にしたくらいです。それまでの私はユングのタイプ論にハマって、『タイプ論』訳者の林道義先生の研究会に出たりしていましたが、エニアグラムはユングのタイプ論とは次元が違うのです。

_SX350_BO1,204,203,200_
ユングのタイプ論は「直観・思考・感覚・感情」の4つのタイプ、その各々が外向と内向に分かれるので、8つのタイプがあることになります。最近ではMBTIというユングのタイプ論を基にした心理テストが開発されているようですね。でも、ユングのタイプ論は人間の普遍的無意識の元型に関連しており、これはある部分では性格の分類として現実を言い当てている面もあるとは思いますが、人間の個人的自我の構造には直接働きかけていないと私は思っています。そういう意味では、心理学のパーソナリティ研究の主要な成果である「ビッグ5」とあまり変わらないのではないかというのが私の率直な感想です。「ビッグ5」というのは、質問紙調査で得られたデータを統計的に分析して、人間のパーソナリティを表すのに必要な5つの要素を割り出したものです。

なぜ次元が違うと思ったかというと、エニアグラムは私の周囲の人の言動をまるでその人のPCプログラムを見ているかのように説明できると同時に、その奥に明確な構造を感じたからです。エニアグラムの研究者で私が最も信頼しているドン・リチャード・リソも言っているように、フロイトの精神分析とも対応しているからです。そして、エニアグラムは様々な精神病理とも綺麗に対応しているのです。トランスパーソナル心理学のケン・ウィルバーも著書『万物の歴史』の中でエニアグラムについて言及しています。

エニアグラムって本当に凄いんです!単なる怪しい性格占いみたいな感じで思われることが多いと思いますが、そんなものではありません。人間の根本原理に関わるものなんです。ぜひみなさんにエニアグラムを知ってほしいと思います。

エニアグラムと精神病理との対応については追々書いていきますね。

読んでいただきありがとうございました。